世界的に話題になっている日本語に「もったいない」があります。
これは、ノーベル平和賞を受賞したワンガリ・マータイさんが2005年に来日した際に聞いて、大変感動し、世界的に広めようとしている言葉なんですね。
このもったいないという言葉、漢字で書くと「勿体ない」
「勿」は、「物」の略字で「もったいない」は、もともと「物体ない」
「物体」を仏教では「もったい」と読むところから、「もったいない」と言われるようになったんですね。
ですからもともとの意味は、あった物体、ものがなくなってしまう、そのはかなさを嘆いた言葉だったんですが、それが転じて今は、物の価値がなくなっている、物の価値が損なわれているという意味で使われています。
普通、もったいないは、お金や物に対して使われますが、それだけではなくて、空間や、また時間にももったいないということがあります。
たとえば、掃除をする時に、物が捨てられない人があります。その人は、「もったいない」から捨てられないのですが、物がもったいなくて、捨てられない人は、実は、空間と時間の「もったいなさ」を知らない人ともいえます。
3分の1の法則というものがあります。
冷蔵庫を例に取ると。
1/3:食べられる食材
1/3:賞味期限切れ
1/3:重複した食材(マヨネーズが2本あるとか、卵が2パックあるとか)
ということは、1/3に減らせるということ。そもそも、いらない物がたくさんはいっているから、把握できなくなって、同じ物を買ってしまうとか、賞味期限を切らせてしまうとかが発生するんですね。
これは、冷蔵庫だけではなくて、クローゼットの中もそうで
1/3:よく着る服
1/3:もう着ない服(趣味が変わった、流行遅れ)
1/3:重複したデザインの服
ほかにも、書類も同じで、使える書類は1/3なのですが、他の書類に埋もれて、使えない資料になってしまうということがよくあること。
そして、いらない物がたくさんあると、探す時間も無駄になってしまうということ。
だから、思い切って捨てましょう。もったいないと思うかもしれないですが、捨てずに取っておく方が、勿体ない。それは時間と空間を無駄にしているということですから。
また、物を捨てる習慣を身につけたら、捨てるのが勿体ないからいらない物を買わないようになります。私は何かを買うときに、これを買う代わりに何を捨てるかを考えます。そう思うと、必要ないかなと思いとどまる事もしばしば。
無駄を省いて、「もったいなくない」使い方をしたいものです。
さらに、つっこんで、考えてみますと、科学技術の進歩によっていろいろと無駄が省かれてきました。たとえば、新幹線の開発で、それまで10数時間かかっていた東京大阪間が、現在2時間半に縮まりました。それは、電車に乗っている時間が「もったいない」から。無駄になってしまうからということでしょう。さらに今では、中央リニア新幹線の開発が進められていますが、完成すると67分になるそうです。
無駄な時間がなくなったと喜びたいところですが、その浮いた時間で何をするかが、もっとも大事なのではないでしょうか。
科学技術で時間の無駄をなくしたはずが、科学技術で開発された携帯ゲームで時間を無駄に使っているというのでは、何をしているのか分からなくなります。
問題は、時間を何につかったら無駄にならないのか、時間を使う目的は何かを知ることでしょう。
では、自分の人生を見つめて、何をすべきなのか、それを考える時間が現代の人には必要なことであり、本当に「もったいなくない」時間やお金の使い方を考える事が大事な時期にきているのだと思います。
【こぼれ話】
捨てる技術という本がありましたが、捨てた方がいいと分かっていても、なかなか捨てられないのが人情。
そこで、おすすめなのが、置く範囲を決めてしまうということ。
たとえば、CDとか、本なら、本棚の一段と決めて、それをあふれないようにするというルールを守るということ。
いっぱいになったら次に買うときには何かを捨てる。
書類も、引き出しを書類専用スペースとして、封筒などに入れて、その引き出しにしかいれない。そして、いっぱいになったら、使わない書類から捨てていく。
そうすれば、書類は、その引き出しにしか入っていないので、探すのはそこだけで、もしそこになかったら捨ててしまったということで、あっさりあきらめがつく。
もしいろんなところに保存していたら家中を探し回らないといけないはめに。
文章で説明するのは、とっても難しいので、詳しく知りたい人は、勉強会の時にでも尋ねてください☆
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